だげほー
ずっと安全だった台湾にもついに魔の手が迫ってきました。
これまで感染者といえば、ほとんどが海外からの新規入国者で、しかも隔離中に発症した例ばかりでしたが、5月に入ってから国内発生でしかも経路不明という例が増えてきて、連日300人越えという日々が続いています。
台湾でコロナに感染するとどうなるかというと、感染したと思われる日から、発症を確認した日までの行動履歴を事細かに公開されます。
ですから、接触者の確認も容易です。
ウイルスを持った状態である食堂でご飯を食べたことが確認されると、そこで同じ時間に滞在した人全員が自主隔離の対象になります。
もし政府の要請に従わず外出すれば罰金が待っています。
実際に台中で、隔離対象の濃厚接触者が外出したために20万元(約72万円)の罰金が課される事例が発生しました。
今はコンビニやスーパーに行くにも、持ち帰り専門のドリンクスタンドで飲み物を買うにも必ず名前、日時、連絡先の報告が義務付けられています。
登録方法は主に2種類あり、お店が用意した書類に手書きするタイプと、QRコードを使うタイプです。
QRコードの方はあのオードリー・タン氏が三日で開発したというもので、とても画期的です。
店先に設置されたQRコードを読み込むと、自動的に政府宛のSMSのメッセージが制作され、私たちはそれを送信するだけです。
「5秒でできる」と噂に聞いてましたが、3秒でできます。
各お店につけられた「場所代碼」という通し番号が記載されただけのシンプルなメッセージですが、これでメッセージの送信者の電話番号と入店時間がわかるので、陽性の人と同じ時間帯に滞在した人を簡単に隔離対象者として洗い出せます。
手書きの情報は陽性者が出てから、お店が当時の滞在者名簿を政府に報告してようやく隔離対象者に連絡が行きます。
ですがQRコードの利用により、お店の利用者と政府の間で直接情報共有ができるようになったので、よりスムーズな防疫対策の実現が可能になりました。
台湾はいろいろと本当にスムーズです。
感染者が増えてきた日の授業で、「もしかしたらオンライン授業になるかもしれない」と先生に言われました。
ですが、その日の夜にはオンライン授業になることが決まりました。
(まさか台湾に来てまでオンライン授業を受けることになるとは…)
他にも、台中市内の11業種と11の夜市の閉鎖が発表されましたが、いつから実行かというと、その発表があった当日でした。
その日夜市を見に行ってみると本当にお店が開いていなくて、開けているお店には警察が注意して回っていました。
もちろん休業補償などありません。
ちなみにこの発表があった日の台中市の感染者数は1人です。
そして22日からはいかなるお店でも店内飲食が禁止になりました。
ですが、この指示が出る前から席を撤去し、持ち帰り専門で営業するお店が多かったです。
むしろ夜市が営業停止になったのと同じ日から、政府の指示とは関係なく自主的に休業するお店も珍しくないです。
私のアルバイト先の食堂では、22日以前は店内飲食も提供していましたが、ほとんどのお客さんが持ち帰りを希望していました。
中には働いている私たちのことを気遣ってわざわざ持ち帰りを選んでくれるお客さんもいました。
本当に防疫意識の高さに圧倒されました。
スーパーでの買い占めも、「できるだけ家で過ごそう」という意識の表れで、日本である意味「コロナ慣れ」していた私は完全に出遅れました。
私がスーパーに行った頃には即席麺はほぼ売り切れでした。
以前買っておいた即席麺のストックがいくつかあるのでまだ大丈夫ですが、1週間経っても品薄状態が続いており、外の食堂もほとんど休業しているのでいつ食べ物が入手できなくなるか少し不安です。
授業もオンラインで、バイトも、もちろん観光もできず、いい時間の使い方が思いつきません。
何より放課後友達や、台湾人の大学生とおしゃべりすることが楽しくて、この時間のおかげで中国語もやっとスムーズに出てくるようになってきた矢先にこのような事態になったので、6月末に予定通りオンライン授業が終わったとて、今の会話力を維持していられる自信がありません。
台湾の保健所にあたる衛生福利部公式LINEからのメッセージで
「保護自己保護別人」
というものがありました。
「自分を守り他人を守る」
という意味です。
誰かが他人のことを考えず自分勝手な行動をとれば、いつまでもコロナを鎮めることはできません。
思いやりの気持ちをもって、自分のためにも他の人のためにも、今一度気持ちを引き締めておうち時間を過ごしてみてはどうでしょうか。
では、また〜
再見👋